
京都府は、美しい街並みや文化遺産が多く残る観光地として有名ですが、同時に自然災害にも強い地域であることをご存知でしょうか。
京都府は、過去に阪神・淡路大震災や豪雨や台風などの大きな災害に何度も見舞われてきました。しかし、そうした災害から立ち直り、防災対策を積極的に進めてきた結果、現在では日本でも有数の防災力を持つ地域となっています。
今回は、そんな京都府の防災力を高めるために活用されている3つの防災施設をご紹介します。
目次
京都市市民防災センター
京都市市民防災センターは、京都市内にある防災教育施設です。ここでは、消防ヘリコプターのフライトシミュレーターや地震体験室などの様々な体験コーナーがあります。これらの体験を通じて、災害時に必要な知識や行動を学ぶことができます。
例えば地震体験室では、震度4から7程度の横揺れを体験できるだけでなく、地震のメカニズムや京都の地震の歴史、地震による被害や防災対策などに関するパネルや映像が展示されており、地震発生時の心構えと日頃の備えについて学ぶことができます。
VRゴーグルを使った災害疑似体験学習や通報訓練コーナーでは、地震や津波や土砂崩れなどの様々な災害シーンをVRで見ることができます。リアルな映像と音響によって、まるで自分がその場にいるかのような感覚になり、災害の恐ろしさや危機意識を高める効果があります。
施設は、市民の方はもちろん、学校や企業などの団体でも利用できます。事前に電話で予約が必要ですので、京都市市民防災センターのウェブサイトをチェックしてみてください。
福知山市防災センター
福知山市防災センターは、災害の疑似体験や防災対策の学習ができる施設です。センターの横には防災公園が設置されているため、実際の災害時には避難場所としても活躍します。
施設には、災害の恐ろしさや危機意識を高めるために、水害や地震や火災などのリアルな映像や音響を体感できる防災シアターや、地域の被災体験談を聞ける語り部映像があります。
また、災害から命を守る方法や技術を身につけるために、水圧で開かなくなる車のドアからの脱出法や、地震時の予防策や対処方法、煙の中での避難方法、119番通報の仕方、消火器や屋内消火栓設備の使い方、応急手当の方法などを体験できるコーナーもあります。
さらに、災害への備えや対策を家庭や地域で行うために、防災グッズや非常持ち出し品などの紹介や、甲種防火管理講習や防災管理講習などの法定講習も受けられます。
福知山市防災センターは無料で利用できる施設ですが、10名以上で利用する場合は事前に予約が必要です。お問い合わせは福知山消防署予防課で受け付けています。
舞鶴市防災センター
舞鶴市防災センターは、「体験」・「学習」・「行動」をテーマに災害に対する事前の備えを知り、災害が起こった時の行動力を高めて、地域の安全を守ることを目的に整備された施設です。
視察内には消火体験室や煙避難体験室があり、実際に水が出る消火器を使った消火の体験をしたり、煙を充満させた建物内からの避難を体験することができます。
防災展示コーナーでは、地震や災害が起きた時、何をすればいいのか、日ごろからどんなことに気をつけておけばよいのか、など防災についての知識を深めることができます。
また、救急処置体験コーナーや通報体験コーナーでは、訓練用の人形を使った心肺蘇生や骨折時の応急処置や、火災・救急についての119番通報体験などもできます。
利用は無料ですが、10人以上の団体で利用する場合は、電話で予約した後、所定の用紙で申し込む必要があります。公式ウェブサイトをチェックしましょう。
災害に強い街づくり・人づくりを目指して
今回ご紹介した防災体験施設だけでなく、京都では「京都市防災ポータルサイト」で気象情報や避難情報を提供していたり、「京都市防災マップ」でハザードマップや災害危険情報(浸水履歴・土砂災害警戒区域など)が確認できたりと、災害に強い人づくりを進めるさまざまな取り組みを行っています。
いつ起きるか分からない自然災害に備えて、企業や市民が自助・共助・公助を通じて減災に取り組む姿勢をぜひ参考にしてみてください。
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