首都に隣接する千葉県は、災害の影響で交通網が麻痺した場合に大勢の帰宅困難者が発生する可能性が高いと予測されています。
令和元年に発生した台風15号による大きな被害も記憶に新しく、県では、首都圏という特殊な地域性を考慮した多様な防災への取り組みが行われています。
例えば、地域別の揺れやすさマップ・液状化しやすさマップなどの災害リスクを周知していたり、誰でも無料で使える本格的な防災学習体験施設を擁していたりします。
今回は、そんな千葉県の多様な防災への取り組みを詳しくご紹介します。
目次
千葉県西部防災センター
千葉県西部防災センターは、災害に対する正確な知識や技術、防災意識の普及・啓発を目的とした体験学習施設です。この施設では、地震などさまざまな災害の体験をすることができます。特に風水害の体験では、全国でも珍しい、レインウェアを着ての暴風雨体験が可能です。こうした体験から、防災を単なる知識としてではなく、自らの経験として学ぶことができるようになっています。
また、自然災害の恐ろしさを学ぶことができる記録映像などの上映や、過去の災害に関する図書・資料の貸し出しも行っています。
無料で利用できる施設のため、お近くの方は訪れてみてはいかがでしょうか。
ちば地震防災ガイド
「ちば地震防災ガイド」は、県民一人ひとりの防災意識を高め、各家庭や地域における自助・共助の取組を促進するために作られた防災パンフレットです。
平成26・27年度に実施した地震被害想定調査の結果に基づき地域別の災害のリスクや、地震被害に対する事前の備え・発生時の対処方法などが掲載されています。
おもな内容は以下の通りです。
・【地域別】震度6強の地震が起きた際の主な被害様相を掲載
・【地域別】「揺れやすさマップ」や「液状化しやすさマップ」などの災害のリスクを掲載
・【各地域共通】一人ひとりが地震発生時に身を守るための対応を掲載
・【各地域共通】地震被害に対する今できる事前の備えを掲載
サイトから一括ダウンロードが可能なので、家庭における防災対策を進めるきっかけとしたり、地域における防災学習の教材などとしても活用できます。
千葉県防災ポータルサイト
最後に、災害発生時に迅速かつ正確な情報を提供することで、県民の安全を守り、災害への備えを強化することを目的として、千葉県が運営する防災ポータルサイトをご紹介します。
このサイトでは、各種ライフラインのリアルタイムな情報や様々な災害に関する速報、避難所情報などをまとめてチェックすることができます。また、防災情報、気象情報などの情報をメールでお知らせする「ちば防災メール」の登録もできます。
千葉県の自助意識を企業防災にも取り入れよう
体験的に防災について学べる施設があったり、いざというときの備えについて教えてくれるガイドがあったりと、地域住民の防災意識の向上に力を入れている千葉県。こうした防災への県の姿勢は、千葉県に住んでいなくても、学ぶべきところがありますね。
災害を避けることはできませんが、日ごろからの防災対策によって、被害を少なくすることはできます。
千葉県の防災への取り組みを参考に、企業防災として社員一人一人の防災意識を高めるアクションを取り入れてみてはいかがでしょうか。
次回は”神奈川県”を特集予定です。お楽しみに!
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