
首都に隣接する埼玉県は首都直下地震の被害を受ける可能性が高く、埼玉県南東部の11市区に震度6強の揺れが発生するとも想定されています(出典:埼玉県危機管理防災部危機管理課「平成24・25年度埼玉県地震被害想定調査報告書」)。
こうした背景から、埼玉県は地域に根差した防災活動が活発で、広い土地を活かした「首都圏外郭放水路」といった設備も存在します。
今回は、そんな埼玉県の防災の取り組みや設備を詳しくご紹介します。
目次
命を守る3つの自助の取組
埼玉県では、日ごろの備えや災害対策が減災に大きな効果を発揮するという考え方から、「命を守る3つの自助の取組」というキーワードを掲げて地域に防災を呼び掛けています。
この考え方は企業防災にも活かすことができるので、ぜひ参考にしてください。

3つの自助(1)家具の固定
家具類の配置を見直し、転倒・落下・移動の防止対策を講じることで、地震発生時の室内での安全確保を促しています。

3つの自助(2)災害用伝言サービスの体験利用
いざというときの安否確認のために「災害用伝言サービス」の活用を呼び掛けています。平時から使い方を学んでおくことも重要です。

3つの自助(3)3日分以上の水・食料の備蓄
災害発生直後は支援物資が届くまでに時間がかかることも想定されるため、最低でも3日分(可能であれば1週間分)の水と食料を備えておくことを推奨しています。

埼玉県防災学習センター そな~え
ここからは、埼玉県にある防災設備をご紹介します。
まずご紹介するのが「埼玉県防災学習センター そな~え」です。災害体験コーナーや過去の災害の展示などを通して、いざというときの「防災力」を習得することができます。
4つの体験コーナーでは、さまざまな災害を実際に体験してみることで、災害の怖さや防災の大切さを楽しく学ぶことができます。
Ⅰ. 地震体験コーナー・・・地震体験機器によるリアルな地震を体験
Ⅱ. 煙体験コーナー・・・火事により煙が充満した通路を再現した通路から避難する体験
Ⅲ. 消化体験コーナー・・・訓練用消火器を使用した消火器の使い方、効果的な初期消火方法の学習
Ⅳ. 暴風体験コーナー・・・最大風速30s/mの風を機器により体験
防災地下神殿(首都圏外郭放水路)
次にご紹介するのは、埼玉県春日部市に存在する世界最大級の大規模地下放水路です。
台風などの影響で洪水・浸水が発生することを防ぐために建設された施設で、通称「防災地下神殿」と呼ばれています。さまざまな河川から一時的に水を貯え、最終的に首都圏で最もゆとりのある江戸川へ流すことで、洪水を防ぐ役割を果たします。
この施設は特徴的な形状から映画やドラマなどのロケ地にも用いられている他、水路の役割や大切さを一般の方にも知ってもらうために、一部見学ができるようになっています(※要申し込み・有料)。

埼玉県の自助意識を企業防災にも取り入れよう
今後30年以内に70%の確率で発生すると言われる首都直下地震。その被害を自分事としてとらえ、災害に強い地域づくりを目指す埼玉県の働きかけを参考に、企業防災として社員一人一人の自助意識を高めるアクションを取り入れてみてはいかがでしょうか。
次回は”千葉県”を特集予定です。お楽しみに!
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