近年、「線状降水帯」による災害が毎年のように発生しています。
記憶に新しいものでは、2020年7月に熊本県を中心に発生した「令和2年7月豪雨」、2022年6月の北海道・東北地方での豪雨、また2023年6月和歌山県・三重県・愛知県・静岡県で発生した豪雨、そして2023年7月には福岡県など一部の地域における豪雨被害があります。
日本においては、6月から7月にかけての梅雨の時期となるうえ、梅雨が明けた8月から9月については台風シーズンとなるため、水害をはじめとする災害が起こりやすい季節が続きます。
この時期には線状降水帯が発生しやすくなっており、水害・災害の危険性はますます高くなっていると言えます。
今回の記事では、今後も発生すると考えられる線状降水帯や、その他の原因による水害、土砂崩れなどの災害などに対する防災について特集します。
目次
線状降水帯とは?
線状降水帯とは、積乱雲が次々に発生し、線状に伸びた雨域のことを指します。局地的に非常に激しい雨が降り続くのが特徴で、河川の増水や洪水・浸水、土砂崩れなどを引き起こす可能性が高く、非常に危険です。
線状降水帯自体は昔から発生していましたが、近年の海面水温の上昇、気温の上昇により発生頻度が高まっていると言われています。加えて、日本列島は高気圧の縁に位置しやすいため、地理的にも線状降水帯が発生しやすいと考えられています。
小さな島国である日本では、豪雨被害の面においては安全と言える場所は存在しないのです。
線状降水帯の予測は難しい
線状降水帯による大雨を正確に予想するには、海上から流れ込む大量の水蒸気を正確に把握することが重要です。気象庁によると、線状降水帯が発生するメカニズムは以下の通りです。
①大気下層を中心に大量の暖かく湿った空気の流入が持続する
②その空気が局地的な前線や地形などの影響により持ち上げられて雨雲が発生する
③大気の状態が不安定な状態の中で雨雲は積乱雲にまで発達し、複数の積乱雲の塊である
積乱雲群ができる
④上空の風の影響で積乱雲や積乱雲群が線状に並び線状降水帯が形成される
「線状降水帯の代表的な発生メカニズムの模式図」(気象庁ホームページより)
このように、メカニズムの概要は分かっていますが、その詳細については未だ不明な点が多いのが現状です。天気予報などで利用されているシステムでは現在の観測・予想技術では、個々の積乱雲の発生や発達、いつどこで線状降水帯が発生しどのくらいの期間継続するのかなどを十分に予想することは非常に難しく、事前に正確に予想することはできないのです。
新たに開始された「線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ」
こうした理由から、これまで線状降水帯による大雨についての呼びかけはなされてきませんでした。
2017年7月の九州北部地方を中心とした大雨の例を挙げてみましょう。
同年7月5日、梅雨前線がゆっくりと南下し、6日昼過ぎにかけて九州北部付近に停滞した結果、福岡県から大分県で線状降水帯が形成されました。最終的には、地域によって24時間降水量の値が観測史上1位の値を更新するなど、これまでの観測記録を更新する大雨となっています。
当時、大雨となった前日の4日時点で、大雨に警戒を呼びかける気象情報は発表されておらず、5日から6日の記録的な大雨を予想することもできていませんでした。
以上のことから、線状降水帯による大雨の予想がいかに困難か分かる事例と言えるでしょう。
しかし、2022年6月から、大雨災害発生の危険度の急激な高まりについて心構えを一段高めてもらうことを目的として、「線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ」が開始されています。この呼びかけにより、大雨災害に対する危機感を早めに持ち、ハザードマップや避難所・避難経路の確認等を行うことができるようになっています。
事前の警戒が発表されても被害は発生してしまう
とはいえ、この呼びかけにより、線状降水帯による被害が未然に防げる、というわけではありません。呼びかけが開始されたあとでも、線状降水帯による被害が相次いでいるのです。
例えば2023年6月には、停滞する梅雨前線による線状降水帯と台風2号の影響で、西日本から東日本の広い地域で大雨となりました。総務省の発表によると、この大雨の影響で愛知・豊橋市で1人の死亡が確認され、35人の重軽傷者が報告されています。また、住家への被害は全壊4棟が確認されるなど、232棟への破損や浸水被害が報告されています。
このケースでは、前日までに気象庁によって線状降水帯の発生予測が発表されており、事前に警戒が呼びかけられていたにもかかわらず、こうした被害が起きてしまっているのです。
防災に必要な物品 企業防災の観点から
線状降水帯が警戒レベルの大雨をもたらす可能性が高いこと、しかしその発生を予測することが非常に困難であること、仮に事前に警戒が発表されていたとしても、水害による被害をなくすことができないことが分かりました。
今後も線状降水帯の影響による豪雨被害が発生する可能性は高く、また年々その可能性が高まっていくと考えられるなかで、企業は水害に対してどのような防災・減災ができるのでしょうか?
今回は、そんな疑問にお答えする商品を2つご紹介します。
土のうと同等の効果を発揮!「アクアブロック」
一つ目が、弊社一押しの水害対策「アクアブロック」です。
アクアブロックは水を吸い込むことで膨張するため、軽量にも関わらず土のうと同等の効果をもたらすことが可能な商品です。
保管に必要なスペースも小さくてすむだけでなく、土を入れるなどの作業も不要なため、今後の災害時などに大きく活躍することが期待されています。
(参考:アクアブロック)
次世代型緊急洪水防護システム「ボックスウォール」
二つ目が、止水板の「ボックスウォール」です。
ボックスウォールは土のうの代わりに簡単・迅速に設置できる止水板です。
次世代型緊急洪水防護システムとして注目されており、特殊な工事は要らず地面に置くだけで敷設可能であることが大きな特徴です。
大量の水による水圧を利用して本体が固定され止水を行う仕組みとなっており、ボルトの固定等は一切必要としません。また、簡単な洗浄で繰り返し使用する事ができるため、エコかつ費用対効果も優れた商品です。
(参考:ボックスウォール)
水害は他人事じゃない!避けられないからこそ事前の備えを!
予測困難な「線状降水帯」。近年の海面水温の上昇、気温の上昇により、線状降水帯による被害はますます増えていくと考えられます。
日本にいる限り、誰もが線状降水帯による被害を受ける可能性があるなか、日ごろから水害対策を行うことは企業の義務ともいえます。
避難経路の確認や食料の備蓄に加えて、水害に特化した防災商品の導入をぜひ検討してみてください。
防災商品に興味がある方は、弊社までお問い合わせください。
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