後回しにしがちな非常食の準備。しかし、地震や水害などの災害時は、商品の売り切れや物流の停止など、食料が手に入らない事態が想定されます。また断水や停電の影響で、食事の準備自体が難しくなることもあります。
今回は、非常食の種類や特徴をご紹介しますので、非常食を選ぶときの参考にしてみてください。
目次
非常食の選び方
非常食を選ぶ際は、以下の4つを意識しましょう。
・長期保存できるもの
非常食を準備したのはいいものの、いざ必要になった時に賞味期限が切れていて食べられない!となっては意味がありません。非常食として販売されている食品であれば、3~7年程度と賞味期限が長く設定されていることがほとんどです。
・そのまま食べられるもの(調理工程が少ないもの)
災害時は、いつも通りに電気・ガス・水が使えない状況になることもあります。包装をあけたらすぐに食べられるもの、またはお湯・水を注ぐだけで食べられるものをそろえましょう。調理が必要なものをストックしたい場合は、一緒にカセットコンロ等も準備しておく必要があります。
・おいしいもの
非常時に味わう余裕なんてないのでは?と思われるかもしれませんが、意外と大事なポイントが「口に合うかどうか」です。いつまで続くか分からない被災生活中、口に合わないものを食べ続けるのは想像以上に大きなストレスになります。非常時だからこそ、おいしい食事で心の余裕を取り戻したいものです。
・バランスよくストックすること
非常食や支援物資は、パンやご飯など炭水化物に偏りがち。このような食事が続くと栄養不足を引き起こし、体力低下や不眠等の体調不良を招く危険があります。事前に準備できるのであれば、特に不足しがちなたんぱく質や食物繊維を補える食品も一緒にそろえておきましょう。
備蓄量の目安
では、非常食はどの程度の量を備蓄しておけばよいのでしょうか。
一般的に、ライフラインが遮断され支援物資の供給も遅れている状況を想定する場合、1~2週間分の備蓄が理想的と言われています。
2011年の東日本大震災でライフラインが9割程度復旧するのにかかった日数と、内閣府による首都直下地震等の東京のライフラインの復旧目標目安は以下の通りになると言われています。
非常食の種類
ここからは、非常食を種類別にご紹介していきます。
● 水
人間にとってもっとも重要な「水」。食べ物を食べなくても2~3週間は生きられると言われますが、水がなければ人は数日と持ちません。
災害時に備蓄が必要な水の量は、大人1人あたり1日3リットルと言われています。飲料水として1リットル/日、調理などに使用する水を含めると3リットル/日が必要になるという計算です。
ライフラインの復旧が遅れたことも想定して、ウォータータンクも準備しておくと安心です。
●お米(アルファ米)、パン
即効性のエネルギーとなってくれる炭水化物。代表的な非常食の一つに「アルファ米」があります。アルファ米とは、お湯や水を注ぐだけでご飯として食べられるお米のことです。お米を炊く必要がなく、賞味期限も5年以上と長期保存が可能なのが特徴です。最近では、ナシゴレンや五目ごはんなどさまざまな種類があり、飽きずにおいしく食べられます。
非常時のパンは、衝撃にも強い缶の容器に入っているタイプを選びましょう。プレーンだけでなくチョコレート味などもあり、お子様にも食べやすいでしょう。
このほかにも、お湯や水を入れるだけでおにぎりができる商品や、沸騰するお湯にお米を入れるだけでご飯が炊ける「炊飯袋」など、手軽で便利な商品が数多くあります。
●缶詰
缶詰商品は保存期間が長く、そのまま食べられるので容器がいらないという利点があります。
調理不要でおかずが食べられるだけでなく、手軽にタンパク質を摂取できるという点でも避難所での被災生活にも適していると言えます。
最近は缶詰専門店などもあるため、自分好みの食べ物を備蓄しておくのも良いかもしれませんね。
●レトルト食品
レトルト食品は、雑菌などが入らないよう密封されているので衛生的であり、賞味期限が5年程度の商品も多いので非常食向けと言えます。中でもスープ系のレトルト食品は、不足しがちな野菜が摂取できるので重宝します。
常温で食べられる商品もありますが、カセットコンロや発熱剤を一緒に用意しておくと、非常時でも温かい食事が食べられます。
●お菓子
お菓子を非常食にするメリットは、「高カロリーのためエネルギー補給に向いている」「こどもも食べやすい」「リラックス効果が期待できる」などたくさんあります。
おすすめなのが、羊かんやゼリーなどの水分補給できる甘いもの。果物の缶詰も、ビタミン補給もできるのでおすすめです。
非常食として特別なものを用意するだけでなく、普段から食べているお菓子をローリングストックしておくと、非常時に食べ慣れた味を味わえるのでよりリラックス効果が期待できます。
最近は保存食のケーキなども販売されているので、家族と一緒に好きなお菓子を見つけておくと良いですね。
●カップ麺・即席麺
お湯を注いで調理しているカップ麺・即席麺ですが、実は水でも調理することができるのです。調理時間はお湯より長くなりますが、火を使わず普段と同じものが食べられるのは貴重ですね。
賞味期限は製造日から9ヶ月と長くはありませんが、ローリングストックに適しているので、使ったら使った分だけ新しく買い足す習慣をつけておきましょう。
●野菜ジュース
被災生活に不足しがちな「野菜」。手軽に野菜を摂取する方法として、野菜ジュースをおすすめします。賞味期限が短い印象のある野菜ジュースですが、非常食用の商品であれば~5年程度の長期保存が可能なものもあります。
●その他
意外と思われるかもしれませんが、ふりかけやジャムも非常食になります。
同じような食事が続きがちな被災生活の中で、白米にふりかけをかけるだけで違った味を楽しめたり、パンにジャムをつけることでエネルギーと栄養を摂れたりと、精神的にも身体的にも「あったら便利」な食品なのです。
これらは未開封であれば常温で長期保存が可能なので、ローリングストックする商品の一つとして在庫を確保しておくとよいですね。
災害に備えて非常食をストックしよう
自分や家族好みの非常食を準備しておけば、ライフラインが断たれてしまってもある程度心の余裕を保つことができます。
ただでさえストレスフルな被災生活を少しでも快適なものにするためには、普段からの備えがとても大切です。最近はさまざまな非常食が販売されているので、ぜひ楽しんで選んでみてください。
Comments